わたしに何が起こったか!!

暴走族・チーマー・友人の自殺・薬・DV・海外 
若いころに私起こったすべてを書こうと思いました。

中学 その11 飛ぶ

あいかわらず学校には行かずプラプラする毎日だった。


そんなある日いつのように駅前のデパートの周りをウロウロしていたら
小松崎と一つ下の大ちゃんに会った。
小松崎「池山 暇??チョッと一緒に来てよ」
私「い~よ~」


駅前にある9階建てのマンションのエレベーターに乗り混み8階で降りた。


そこから階段でなぜか7階に降りた。
廊下が伸びていて左側に120cmくらいのコンクリートの壁?柵?があって
右側に5m置きくらいに同じ形のドアが並んでいた。
その3つ目か4つ目の扉の前に大ちゃんと同級のヒロシが座ってた。
小松崎・大ちゃん・私の中でヒロシのところに行くとヒロシは口にコーラの缶を咥えて座っていた。


あ!!アンパンか。私はすぐに分かった。

何で人の家の前に座っているのか、そこが誰の家なのかはわからなかった。
小松崎が「池山 吸う??」
私「いいや、いい。」
小松崎「じゃぁさ、ここでチョッと見張ってて!」
私「うん」 何を見張るのか全く分からなかったけれど返事をした。
私は左側にある柵から外をみたり知らない家の前に置いてある枯れた植木鉢など見ながら大ちゃんとヒロシとしゃべってた。


だんだんヒロシの言ってることが分からなくなってきて大ちゃんは床に唾を吐き出していた。
そこにいることがつまらなくなって小松崎を探してみたが、あいつはいなかった。
大ちゃんに聞いてもヒロシに聞いても「ハフハフ」言ってるだけで
全く意味も何をしゃべっているかもわからなかった。


そこへあきらさんが来た。「よっつ!!」
あきらさんは来るなり大ちゃんの口にくわえてる缶を取り上げて吸い始めた。
あきらさん「あ~来た来た」
見ると小松崎がスーパーのビニール袋をぶら下げて帰ってきた。
なかには”マムシ”って書いてある瓶が5~6本入っていた。
私「マムシ 飲むの?」
小松崎「これはアンパンだよ」
あ!!買いに行っていたんだと察した。


あきらさんが唾を柵の外へ落としながら「池山 吸え」と言ってきた。
私は興味はすごくあったが、そんな風に唾を吐かなくてはいけないのがとっても嫌で
躊躇していた。
あきらさんがもう一度 随分座った目で「池山 吸え」と缶を渡して来た。
逆らってはいけない雰囲気だった。
缶は私の手の中にある。
口まで持っていったらペンキの臭いがした。


私「これって唾一杯吐くの?」
おもむろに聞いてみた。
あきらさんも大ちゃんもヒロシも返事をしなかった。
小松崎「池山はガスのほうがいいかもな」
    「下のタバコ屋でガス買ってこい。ついでにコーラも」
と言って2000円渡された。


ガスってライターに入れるガスで周りのやつらがやっているのを見たことがあったので
それなら唾を吐かずに済みそうだな!と思い「わかった」と答えた。


エレベーターでマンションを降り、駅前デパートのタバコ屋でガスを買った。
そこに自販機もあったのけれどなぜかスーパーでコーラを買おうとスーパーへ寄り
ついでにトイレもにも行った。
たぶん15分くらいはウロウロしてたと思う。
エレベーターに乗って8階まで行き一つ階段を下りて7階についた。
廊下に出たらあきらさんが柵に立っていた。
ヒロシはもう座っているのか寝ているのかわからない体勢で固まっていた。

私「買ってきたよ~」
小松崎「おう」 もう小松崎も口に缶を加えていた。
あきらさんはわけのわからないことを空に向かってしゃべっていた。
私はあきらさんのいる柵に背中を向け寄りかかって座った。
「はい」
買ってきたものを小松崎に渡して いつ私にガスをくれるのかとワクワクしながら待っていた。
けれどアンパンを吸っている小松崎は一向にガスを私にくれずコーラの缶のふたを開けるのに一生懸命だった。
なかなか開かないふたと格闘している小松崎が面白く私はゲラゲラ笑っていた。
そんな私を見て大ちゃんも小松崎も笑っていた。


「おおーー」とあきらさんが大きな声を出した。
その瞬間小松崎が宙をみつめた。私はそんな小松崎を笑ってみていた。
その瞬間 小松崎が「あーーー」と大きな声を出した。
私がキョトンとしていると小松崎が買ってきた袋を私に渡して
「いますぐ行け!早く!」とマジな顔で言われた。
ビックリしながら急いでエレベーターに向かう
後ろから小松崎が「まっすぐ家へ帰れ!いいな!絶対まっすぐ帰れ!」
と怒鳴った。


わけがわからないままエレベーターにのって下へ降りマンションから出てまっすぐ家にむかった。
途中で気が付いた。帰るとき柵の上にいたあきらさんはいなかった。
そう、飛んだんだ。


飛んだんだ



その日からのことは記憶にない。
お葬式に行ったような行かなかったような、学校に行ったような行かなかったような。
その日からことを思いだそうとしても頭の中がぐるぐる同じ場面を回るばかりなのだ。



あの日をさかいに小松崎とは卒業するまで一言も口をきいていない。
学校で会ったりもしたけれど話した記憶はない。。。。