そのままファミレスを出た。
すぐに帰ろうとすると友介が今日はこの後どうするのか？と聞いた。
バイトがあること、オーストラリアへ行くのに準備があることを告げた。
このまま会えないままオーストラリアに行くことになりそうだ。とも伝えた。

友介は納得していないようだったが三上の手前とても理解のある男のふりをしていた。
私は友介が求めるままそこでキスをした。
友介は私を車に連れ込もうとしたが私は頑なに入ることを拒んだ。
バイトに行かなきゃならない。それを繰り返し繰り返し言った。
昼時のファミレスの駐車場は思ったより人の出入りが多く、友介もすぐに引き下がってくれた。

友介はオーストラリアへ行く前に会おうと言って帰って行った。
ホッした。

どうにかしてオーストラリアに行く前に会わない方法を考えなくては！と思った。

さっきファミレスで仕事で14日は伊豆に行くと言っていたのを思いだした。
仕事の事務所は簡単に休めるようなところではないしアニキと呼ばれる人のいうことは絶対だったのでチケット見たら出発が14日だったと伝えようと思った。

きっとこれで会わずに済む。そう確信した。
14日の日の朝　公衆電話から連絡した。
「実は今日が出発だった。帰国したら必ず連絡するから」
友介は怒ってはいたが仕事中だったので「わかった。必ず連絡しろ」と言っただけだった。

友介からやっと逃げられた。